- 2016-12-2
- ヘルス&ビューティー

櫛でとかせない頭髪症候群という言葉を聞いた事ありますか?
櫛でとかせない頭髪症候群とは、その言葉の通り頭髪を櫛でとかす事が出来ない症状の事です。
英語名はUncombable Hair Syndrome。
それぞれの単語の頭文字を取ってUHSとも呼ばれています。
日本では殆ど聞いた事の無い症状ですが、この症候群にはどのような特徴があるのでしょうか?
ここではそんな櫛でとかせない頭髪症候群の症状、原因などを詳しく調査した結果を説明していきます。
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櫛でとかせない頭髪症候群(Uncombable Hair Syndrome/UHS)とはどんな症状?
櫛でとかせない頭髪症候群。
この症状は他にも櫛でとかせない毛髪症候群と言う場合もあります。
なんとも不思議な名前ですがご存知でしたでしょうか?
日本ではまだ耳慣れない症状なので詳しく調べてみました。
櫛でとかせない症候群とは?
櫛でとかせない症候群は英語でUncombable Hair Syndromeと言います。
また、それぞれの単語の頭文字を取ってUHSと表す事もあります。
櫛でとかせない頭髪症候群と呼ばれるこの症状はその名前の通り頭髪に症状が現れます。
発症はする割合は高くありませんが、症状は特に小さな子供に多いです。
櫛でとかせない頭髪症候群を発症すると頭髪が感電したようなヘアスタイルになるという特徴があります。
そして、その頭髪は縮れた針金のような髪の毛になる事も特徴の一つで、その硬くなった髪の毛には櫛を通す事も難しいことから櫛でとかせない頭髪症候群と名付けられました。
また、その縮れた頭髪は、銀色に近い金色や麦わらに近い色になる事が多いのも特徴の一つです。
そして、この症状を発症している人が頭髪を伸ばすとライオンの鬣(たてがみ)のようになってしまいます。
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櫛でとかせない症候群を発症する原因は?
髪の毛が縮れて、針金のように硬くなる症状の櫛でとかせない頭髪症候群。
日本では殆ど知られていませんが海外では広く知られた症状です。
以前からこの症状に関する研究は行われていましたが、発症の原因は長年に渡って判明していませんでした。
しかし、先日その長年の研究の成果が実を結び、長らく解明されていなかった発症の原因が明らかになりました。
UHSを発症する原因は遺伝子によるもの
櫛でとかせない頭髪症候群を発症する原因が、ドイツにあるボン大学の研究チームによって解明されました。
1970年代以降に研究者によって約100件の事例が記録されていました。
この遺伝子の状態は主に生後3ヶ月目位から12歳位までの間に発症する事が多いのが特徴です。
通常は成長と共に症状が改善していくケースが多い事は分っていましたが、それ以上の原因は明確ではありませんでした。
しかし、毛髪研究の専門家であるドイツのボン大学の研究チームが櫛でとかせない頭髪症候群の子供11人の遺伝子を調べたところ、この症状の原因と考えられる遺伝子に突然変異が起こっている事を発見する事に成功しました。
その一つは毛幹の主要なたんぱく質の設計図が入っている遺伝子。
そしてもう一つは酵素の遺伝子。
この酵素の遺伝子は毛幹組織の為にたんぱく質を製造し、その製造したたんぱく質をケラチンの薄い繊維の間に閉じ込める遺伝子です。
ボン大学の研究チームは細胞培養実験を行った結果、上記のどちらかの遺伝子の突然変異によって毛幹に何らかの異常が起こり、正常な毛髪の発育に影響を与える確認しました。
通常の毛髪の断面は円形をしています。
しかし、櫛でとかせない頭髪症候群を発症している人の毛髪は断面が三角形、楕円形、ハート型に変形している事が確認されています。
そして、実験の結果、遺伝子異常が起こす毛幹の発育異常によって変形した毛髪が出来る事を突き止めたのです。
櫛でとかせない頭髪症候群のモデルはもじゃもじゃ頭のペーターという絵本
記録に残っている研究は1973年、今から約40年以上前から始まっていました。
正式に残っている最初の研究の記録は1973年ですが、1845年にドイツで出版された有名な子供向けの絵本の中に櫛でとかせない頭髪症候群の特徴を持った主人公が登場します。
もじゃもじゃ頭のペーター
その絵本の名前はもじゃもじゃ頭のペーター。
もじゃもじゃ頭のペーターはドイツ語でDer Struwwelpeterと言います。
1845年にハインリッヒ・ホフマン(Heinrich Hoffmann、1894年9月20日没)により発表された子供向けの絵本です。
この本は韻を踏んだ文章による挿絵付きの10個の物語で構成されています。
10個の物語の殆どは子供が主人公となっており、どの作品でもその子供の悪い行いによって起こる不幸な結末が描かれ、教訓を示すような内容になっています。
そしてこの物語の主人公の頭髪は絵本のタイトルの通りもじゃもじゃで、その頭髪は櫛でとかせない症候群の子供を基にしたものだといわれています。
しかし、このもじゃもじゃ頭のペーターはその後にマーク・トウェインによって翻訳され、その際にもじゃもじゃ頭のペーターからだらしないピーター(英名:Slovenly Peter)とその名前を変えました。
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