- 2016-12-17
- 社会

バイオプラスチックをご存知ですか?
バイオプラスチックは英語で書くとBioplastic。
Biomas(生物資源) + Plastic(プラスチック)を組み合わせた言葉です。
つまり生物資源から作られたプラスチックの事。
そして、このバイオプラスチックを使用した技術がマツダのロードスターにも採用される事が決定しました。
そこでここではバイオプラスチック技術を採用したマツダロードスターの詳細やバイオプラスチックの利点や欠点を調査した結果を紹介します。
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バイオプラスチックとはどんな素材?
一般的にプラスチックの原料は石油です。
石油の基となる元素は3つあります。
- 酸素(O)
- 水素(H)
- 炭素(C)
既にご存知の方も多いと思いますが、石油の原料は原油です。
原油は熱分解によって処理するとガソリン、灯油、軽油などへと取り分ける事が可能です。
そしてこの分解処理によってガソリン等以外にもナフサと呼ばれる成分を取り出します。
いま市場に出回っているプラスチックの殆どはこのナフサを原料としています。
しかし、原油は限られた資源。
このまま原油の採掘を続ければいつかは枯渇してしまうというリスクがあります。
バイオプラスチックの登場
では一方のバイオプラスチックとはどのような物なのでしょうか?
バイオプラスチックの主な原料は植物です。
植物の中でも特にでんぷんの含有量が多いものから製造されます。
- トウモロコシ
- サトウキビ
しかし、技術的には植物以外からでもバイオプラスチックが製造できると言われています。
樹木、牛乳、米、生ゴミからも技術的には製造可能とされています。
もし生ゴミからプラスチックが製造できればすごい事ですね!
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バイオプラスチックを採用したマツダロードスターの特徴は?
マツダ株式会社(Mazda Motor Corporation)は22日から発売を開始する予定の同社主力車種であるロードスターシリーズのロードスターRFにバイオプラスチックを採用したと発表しました。
使用されているのはバイオプラスチックの“デュラビオ”で、車体後方の窓枠部分などの外装パネルに採用されています。
デュラビオはトウモロコシの粒の部分から抽出した糖分を化学合成したもの。
従来の石油由来のプラスチックでは耐熱性と透明性を両立する事は不可能でした。
しかし、デュラビオはその問題を解決した高い耐熱性と透明性を兼ね揃えた高機能な樹脂なのです。
また、ディラビオは着色剤を混ぜ合わせての部品成型が可能で、塗装の工程を省略する事も可能となりました。
バイオプラスチックの利点と欠点
バイオプラスチックはマツダのロードスターRFに採用される以前にも別の自動車で採用の実績があります。
自動車業界で一番最初に採用したのが2014年のスズキの軽自動車でした。
採用された車種はスズキの人気車種のハスラーで、内装のカラーパネルにバイオプラスチックを採用。
その後、2016年6月にはフランスのルノーの新型車種のメーターカバーに採用されるなど自動車部品への採用が進んでします。
自動車部品以外ではシャープ製のスマートフォンなどがあり、前面のパネル部分にバイオプラスチックが採用されています。
バイオプラスチックの欠点、デメリットは?
デメリットでは従来の石油由来のプラスチックに比べて製造コストが割高になるという点があります。
現時点ではバイオプラスチックの生産量と販売量が少ない為、まだまだコストは高め。
しかし今後、需要が増えて生産量も増えていけばコストは下がっていく見込みです。
バイオプラスチックを製造している三井化学によれば今後は自動車以外の産業にもバイオプラスチックの需要が拡大していくと見込んでいるようで、今後の量産によってコストが下がる事に期待を寄せています。
現在の製造量の年間約5000トンから2020年までに20000トンまで引き上げていく計画になっています。
バイオプラスチックの利点、メリットは?
自動車等の部品として使用される際のメリットは強度と着色性です。
従来のプラスチックでは両立できなかった強度に着色を加えることで塗装の工程を省略できるようになります。
これにより生産性が向上し、商品自体の価格が安くなることが期待されています。
また、バイオプラスチックの一番の利点はその原料が植物由来である事にあります。
従来のプラスチックの原料は石油です。
地下から採掘される石油の量には限界があるため栽培によって生産可能な植物はやり方次第ではいつまでも枯渇する事はありません。
また、従来の石油由来のプラスチックでは焼却処理時に高い温度の熱を必要とし、更にダイオキシン類が発生してしまうという問題がありました。
しかし、バイオプラスチックであれば通常のプラスチックよりも低温で焼却処理がかのうでダイオキシン類が発生しないというメリットがあります。
バイオプラスチックの処理方法は焼却だけではありません。
殆どの種類のバイオプラスチックの生分解性プラスチックの性質を持っています。
ですので、微生物によって簡単に二酸化炭素と水に分解する事が出来ます。
分解された二酸化炭素を利用して植物が光合成を行いでんぷん質を作る。
更に、その作られたでんぷん質を利用して再び生分解性プラスチック。
こんな無駄の無い好循環を作り出す事も可能なのです。
また、将来的には生ゴミなどの本来廃棄されるものからもバイオプラスチックが製造可能になる見込みです。
ゴミから資源が生まれれば地球環境にも優しく、無駄のない社会になって行きますね!
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